尊厳死宣言
回復の見込みのなくなった終末期において、死期を延ばすためだけの延命治療を行わず、尊厳を保ったまま死を迎えるための意思を表示した書面(終末期医療における事前指示書)の作成を行います。

尊厳死宣言

回復の見込みのなくなった終末期において、死期を延ばすためだけの延命治療を行わず、尊厳を保ったまま死を迎えるための意思を表示した書面の作成を行います。


男の平均寿命は 81.47 年、女の平均寿命は87.57年と、長生きが当たり前になっていますが、元気でいられる健康寿命は、男性が72.68歳(2019年)、女性75.38歳(2019年)です。心身ともに健全なまま最期を迎えられるわけではありません。
 死亡者の86%は病院や施設で亡くなります。皆さんは、終末期にどのような医療、ケアを受けたいとお考えでしょうか。終末期とは「生命維持処置を行わなければ、比較的短期間で死に至るであろ う、不治で回復不能の状態」のことです。
 現代の医療は、回復の見込みがなくても、生かし続けることが可能です。人工呼吸器をつけて体内に酸素を送り込み、胃に穴をあける胃ろうを装着して栄養を摂取させます。
 内閣府「高齢者の健康に関する意識調査」(平成24年)によると、「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」と回答した人の割合は4.7%と少なく、一方で「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答した人の割合は91.1%と9割を超えています。
終末期の医療の選択は、本人に意識があれば、もちろん本人の意思が尊重されのですが、終末期では、本人自身に意識がない、意識があっても判断力がない状態の場合は家族にその判断を任せられるのが通常です。
家族に事前に意思を伝え、同意してもらっていたのならいいのですが、そうでない場合は判断のつかないまま、人工呼吸器を装着するなどの延命措置が選択されれる場合があります。ひとたび人工呼吸器を装着したら、はずすことは容易ではありません。
 判断能力のある元気なうちに、「終末期医療に関する事前指示書」、尊厳死宣言(リビングウイル)を文書にしておくことをお勧めします。尊厳死宣言(リビングウイル)は公正証書という形で、公証人に証明してもらうこともできます。